ドングリと動物たち

10月、知床の森に不思議な音が響きます。森の中を風が吹き抜けるたびに、あちこちから「コツーン、カツーン」という音が聞こえます。実はこれはドングリ(知床ではミズナラ、海岸林ではカシワも)が地面に落ちる音です。

この音が森に響くようになると、動物たちは忙しくなります。動物たちにとって栄養豊富なドングリは、知床の厳しい冬を乗り越えるための大切な食べ物。さまざまな動物たちがドングリを食べにやってきます。ヒグマやエゾシカといった大きな動物から、エゾリスやシマリス、アカネズミといった小さな動物、ミヤマカケスなどの鳥たちにいたるまで、みんなの大好物です。ドングリを食べたヒグマの糞は茶色のペースト状。まるで、(ケーキの)モンブランのクリームのようです。ところどころにドングリの皮がまじります。この季節、森の中で見る糞の多くがこのような糞です。

エゾリスやシマリス、ミヤマカケスなどは餌が乏しい冬のために貯えもします。中でもエゾリスは樹洞などのほか、地面に浅く埋めてあちこちに貯食するため、エゾリスに食べ忘れられたドングリは発芽のチャンスを得ます。

ドングリの恵みは翌年の春まで続きます。雪の下に残されたドングリは、越冬明け、体力を消耗した動物たちにとって、芽吹きまでの間、命をつなぐ食料となります。(2004.10.9)

ミズナラの森 ミズナラのドングリ
ドングリをほおばるシマリス <ほお袋はドングリでいっぱい
ドングリを食べるエゾリス ドングリを食べたヒグマの糞。茶色のペースト状。
樹洞を覗いたら? 誰の仕業?
ツタウルシもそろそろ色づきはじめた。 カツラも紅葉(黄葉?)してきた。

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