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野生動物の疥癬症

疥癬症とは

疥癬にかかったエゾタヌキ(斜里町)

センコウヒゼンダニ

概要

この病気はセンコウヒゼンダニというダニが寄生することによる皮膚病です。この病気にかかったタヌキは脱毛し、皮膚がかさぶたにおおわれ、がさがさになります。

さらに重症になると、失明したり、運動障害のため、餌をとることができず、死んでしまいます。知床では1995年頃からキタキツネやエゾタヌキで流行しました。知床ではこの流行で、キタキツネの生息数減少が見られました。

2000年代にはいり、疥癬症のキツネ、タヌキの目撃は減少し、流行は終息し、生息数も回復に向かっているようですが、疥癬症の流行は、キタキツネやエゾタヌキの地域個体群に大きな影響を与えたと考えられています。

ヒト疥癬と野生動物の疥癬

疥癬症の原因となるヒゼンダニは、宿主動物種によって寄生するヒゼンダニのタイプが異なり、ヒト疥癬はヒト、動物の疥癬は動物の間で感染します。そのため、疥癬症の動物に接触してもヒトへの感染は基本的には成立しないとされています(ただし感染実験では感染が成立したという報告もあります)。しかし動物の疥癬でも、疥癬症の動物に接触するなどした場合にアレルギー反応による痒みなどの症状が出ることがあるとされています。

野生動物の疥癬

野生動物の疥癬にはおもにイヌ疥癬(Sarcoptes scabiei)によるものと、ネコ疥癬(Notoedres cati)によるものがあるようです。前者のほうが宿主範囲が広く(ただし前述のように宿主種によってヒゼンダニに少しずつ変異が見られます)、さまざまな動物で報告があります。国内のキツネやタヌキの疥癬は前者のようです。後者は国内ではアライグマ(Ninomiya H. & Ogata M. Vet Dermatology 2002,13,119-121)、ハクビシン(Ninomiya H.Ogata M.Makino T. Vet Dermatology 2003,14,339-344)などで確認されています。

治療法

治療には患部の消毒、清浄性の維持等の2次感染予防と、イベルメクチンの投与が一般的ですが、重篤な疥癬症の場合、薬剤投与に耐えられず死亡する場合もあり、注意が必要です。

分布

写真では疥癬症と確定することはできませんが、下の地図は全国から寄せられた、おもに写真から疥癬症と判断した野生動物の情報があった場所です。

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お願い

一般の方へ

野生動物の死体の取り扱いについては人獣共通感染症に感染する危険(特にキタキツネなどではエキノコックス症に感染する危険があります)もあるため、むやみに死体に接触することは控えて下さい。

鳥獣行政、公衆衛生担当の方、獣医師の皆様へ

麻布大学獣医学部実験動物学教室(二宮博義教授)では疥癬症に罹ったタヌキ、キツネなど 野生動物の病理学的研究を進めています。疥癬症に罹ったタヌキ、キツネなどの野生動物の死体をサンプルとして提供いただける場合は以下までご連絡いただきますようよろしくお願いいたします。

229-8501神奈川県相模原市淵野辺1-17-71、麻布大学獣医学部実験動物学研究室 教授 二宮博義、ninomiya@azabu-u.ac.jp tel 0427-69-1652 fax0427-69-7291

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斜里町立知床博物館 0994113北海道斜里郡斜里町本町49-2 tel 0152-23-1256 fax 0152-23-1257