観察会でシャチと遭遇


 2001年8月7日、博物館では夏休み体験講座の一つとして、知床岬までの船上観察会を行いました。岬沖から一路ウトロ港をめざして帰路についた私たちは、海面から高く突きだした黒いものを見つけました。クジラの背ビレのようでしたが、よく見られるミンククジラの小さな背ビレとは明らかに異なります。またゆったりと海面から見え隠れする背ビレの動きは小型のイルカの動きとも違います。海に高く突きだした特徴的な背ビレをもつクジラ、そんなクジラはオスのシャチしかいません!
 体長7〜8m、高く巨大な背ビレをもったオスと、オスよりも小さく、鎌形の背ビレのメスあるいは若い個体が2頭、少なくとも3頭以上の群でした。船を近づけると黒と白の鮮やかな体色が波間から見え隠れします。
 さらに2002年7月23日、ほぼ昨年と同じ海域で10頭以上の群れと遭遇しました。
 シャチはハクジラの仲間です。世界中の海で見られますが、多く見られるのは高緯度地方の寒冷な海です。漢字では鯱、英語ではkiller whale(殺し屋)と呼ばれるように、魚類だけでなく、他のクジラからアザラシ、海鳥、ウミガメにいたるまで襲い、海の食物連鎖の頂点に立ちます。
 その一方で好奇心旺盛、遊び好きで、今回出会ったシャチたちも、船上の子ども達の歓声に興味をひかれたのか、逃げることもなく、しばらく船と併走していました。また家族を最小単位とした群れは、強い絆で結ばれ生涯を共にすると言われます。
 古くは世界各地の民族から神として畏敬され、その後近代漁業の発達につれて人との競合者として嫌われ者となったシャチ。しかしその姿は昔も今も見る者を圧倒します。
ビデオ映像(QT)
 


知床半島を背景に悠然と泳ぐオスのシャチ(2001.8.7)


海面から高く突きだしたオスの背ビレ(左)メスや若い個体の背ビレは鎌形をしている(右)(2001.8.7)


昨年とほぼ同じ海域で再びシャチと遭遇した(2002.7.23)


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