カラフトマス遡上


 何度みてもその姿はとても感動的です。感傷的な文章過ぎるかもしれませんが、御了承下さい!
 (2004.10.14UP。撮影は2004.10.4)

 知床半島のとある小河川。水深10cmにも満たない小さな流れの中をカラフトマスが遡上する。
 体の大部分を空気中にさらして水しぶきをあげて遡る。
 秋晴れの青い空、青い海。透き通った水と空気の中を狂ったように上流を目指すカラフトマスの姿にとても感動した。
 秋の北海道の当たり前のような風景でありながら、今ではなかなか目にすることができない知床ならではの風景なのかもしれない。
(左はカラフトマスのメス)

 波間に見える魚影。打ち寄せる波のリズムに合わせて遡上の機会をうかがう。カラフトマスはサケ(シロザケ)よりも早く遡上を開始する。知床では通常8月下旬には川でその姿をみることができる。
 ラクダのこぶのように大きく背が盛り上がったカラフトマスのオス。寄せ波に乗って一気に駆け上がり、引き波に戻されるところを必死に耐える。
 カラフトマスは2年魚で成熟する。つまり今年、2004年秋に戻ってきたマスは2002年の秋遡上産卵した親魚の子である。サケ(シロザケ)と違い産卵環境として湧水を必要とせず、河口から近い下流域でも産卵する。また母川回帰性もサケに比べて弱く、こんな沢のような本当に再生産しているのかと思うような小さな河川にも遡上する。
 浜辺に打ち上げられたカラフトマスの死骸。
たった
 魚たちが押し寄せる河口の砂浜にはヒグマの足跡が残されていた。ヒグマにとってはたやすく魚にありつくことができる最高の食事場所なのだろう。
 知床といえども、ヒグマがゆっくりとサケマスを捕ることができる河川は限られている。ヒグマと遭遇するかもしれないという緊張感と、知床本来の生態系が維持されていることに対する安堵が入りまじる。