
シカは偶蹄類(2つに分かれたひづめをもつ仲間)に属する動物です。シカの祖先はイノシシに近い動物であったと考えられています。
日本に生息する偶蹄類はニホンジカ(シカ科)、ニホンカモシカ(ウシ科)、イノシシ(イノシシ科)の3種です。このうち北海道にはニホンジカの1亜種であるエゾシカだけが分布しています。
ニホンジカは日本列島だけでなく、ベトナムから東のアジア大陸、台湾の広い範囲に分布していますが、中国、台湾、日本の一部の地域では絶滅がおこり、その分布は断片的になっています。またニホンジカはシカの中でも姿が美しいことから、欧州、北米、オーストラリアやニュージーランドでは狩猟用に人為的に導入され、野生化しています。ニホンジカは英語では日本語がそのまま英名になり「Sika
deer」、中国名では夏毛の白い斑点から梅花鹿(メイファールー)とよばれます。 国内のニホンジカはエゾシカ(北海道)、ホンシュウジカ(本州)、キュウシュウジカ(九州・四国)、ツシマジカ(対馬)、マゲシカ(馬毛島)、ヤクシカ(屋久島)、ケラマジカ(慶良間列島)の7亜種に分類されます。同じニホンジカといっても、その大きさや体重は亜種によって全く違い、最大のエゾシカではオスは冬期の平均体重で120-130kg、ケラマジカやヤクシカでは30-40kgほどで、角もエゾシカでは長さが70cm以上になりますが、ヤクシカでは40cmほどで枝分かれも少なくなります。
体格だけでなく、食性にも違いがあり、エゾシカや東北地方のホンシュウジカでは針広混交林(東北では落葉広葉樹林)で草本、木の葉、ササ、樹皮などその季節に利用しやすいものを食べていますが、南のツシマジカなどでは年間を通して安定的に餌が得られる常緑広葉樹林の木の葉が主体となっています。しかし同じ南のニホンジカでもヤクシカは、高標高地帯ではササやイネ科草本が餌の主体となり、逆に低標高地帯では常緑広葉樹の木の葉が主体となります。これらのことからニホンジカは環境に合わせて、食物の選択、社会構造、体格などを柔軟に変化させていることがわかります。

越冬地に集まったエゾシカの群れ

生後1ヶ月ほどの子鹿
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