マガダンから飛来のオオワシ、死体で発見




 2001年1月25日以降、知床半島のウトロ近くの海岸で継続して観察されていた標識(ウイングタッグ)の付いたオオワシ幼鳥が4月6日に死体で確認されました。
 このオオワシはロシア極東のマガダン(オホーツク海最北部の港町)近くの営巣地で、昨年(2000年)8月9日に標識された昨年生まれの幼鳥です。オホーツク海沿岸を南下しサハリンを経て越冬地である北海道までやってきたものです。
 オオワシの渡りに関する調査は日本とロシア、アメリカの研究機関が共同で行っており、標識調査や人工衛星を利用した追跡調査などで渡りルートや越冬地での移動が解明されてきました。昨年ロシア極東のアムール川下流域、サハリン北部、マガダン州で標識された個体はオオワシ43羽、オジロワシ3羽です。同様の調査は1994年以来続けられ、多数のオオワシ、オジロワシにカラーのウイングタッグが付けられました。左右の色で標識地や標識年、番号で個体が識別できます。

 このオオワシには小型の電波発信機も付けられており、初めて確認された1月25日以降、電波による位置確認を行い、追跡調査を継続していました。その結果1月末の追跡開始から、大きく移動することはほとんどなく、2月、3月もほぼ同じ海岸地域、約10km程のエリアにとどまっていました。
 低気圧の通過した3月4日にはこのエリア内で確認できず一時移動した可能性がありますが、3月11日には再び同所で確認されました。これ以降は死体の見つかった場所付近にいたことが電波発信機による位置確認からわかっています。
 4月に入ってもほとんど動きが無かったことから、4月6日に現地調査を行ったところ、谷すじの残雪の上にうつぶせに横たわり死んでいるオオワシが見つかりました。
 現場付近はエゾシカの越冬地になっており、1月末までは狩猟が行われていました。また、冬を乗り越えることができずに自然死亡したシカの死体も含め、周辺にはエゾシカの死体が多数ありました。シカの死体を食べたヒグマの足跡もありました。この日も数羽のオオワシとオジロワシが同所で観察され、これらのワシがシカの死体を目当てにこの谷にとどまっていたことは間違いないと思います。
 このような状況から、死因については鉛中毒の疑いもあるため、研究機関に試料を送り検査したところ、鉛が検出され、鉛中毒が死因と断定されました。

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