オオワシのつがいが子育て中です



大きく育ったオオワシの幼鳥(左の2羽)   2003年8月15日撮影

  知床博物館鳥獣保護舎で飼育中のオオワシつがいが順調に子育てを続けています。今年の2月、飼育ケージの高所に設置した箱形のねぐらの中でつがいの雌が抱卵をはじめた様子が確認されました。この雌は高齢なこと、飼育ケージは繁殖を目的としたものではなく常時一般に公開していることなどから、産卵や抱卵が順調にいくかどうかには疑問がありました。しかし、3月8日にはピヨピヨと孵化直後のヒナの声が聞こえ、4月にはねぐら内に2羽のヒナの姿を確認することができました。その後も周りをできるだけ静穏に保つなどの配慮をしましたが、親鳥もせっせと餌を幼鳥に運び続け、6月には大きく育った幼鳥がシェルターの外に出てくるようになりました。現在もまだ親鳥は見学者を警戒していますが、幼鳥の方はずいぶん馴れてきて、長い時間止まり木に出てその姿を見せるようになっています。
 産卵した雌(愛称コロ)は博物館ができる4年前の1974年にウトロで保護された、施設内一番の古株で推定30才、つがいの雄(愛称カナヤマ)は1988年に金山川で保護された推定16才です。骨折などで自然に戻ることができず長く飼育されてきた個体です。オオワシの飼育下での繁殖は内外の動物園で試みられてきましたが、1993年に札幌市円山動物園で、2000年には釧路市動物園で繁殖に成功しています。
 オオワシは世界に6〜7000羽ほどしかいない絶滅危惧種です。飼育個体の増殖には遺伝子の多様性を保つことが重要といわれています。この幼鳥も将来は繁殖用個体として国内外の施設の期待にこたえられるかもしれません。
 2羽の幼鳥はまだあまり人になれていません。見学される方はおどろかさないように、静かに見て下さいね。

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